京都大学との共同研究研究によって得た「知」を実践する社会へ

中川調剤薬局では2019年4月より、京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻に寄付講座を開かれている岡田浩先生の研究室に社内から2名の研究員を派遣し、共同研究を行なっています。
「薬に責任を持つ」達成のために
私たちのビジョン「薬に責任を持つ」の達成には、次のふたつのことが必要です。
社会に求められる仕事を実践すること
社会の少し先を見据えた実践を行なっていくこと
これらを実践することで、私たちが接する患者さんにより良い価値を提供することができると確信しています。しかしながら、関わることができる患者さんは限られており、私たちだけで広く地域の方々にその価値を提供することは難しいのが現実です。

研究によって得た「知」を社会へ
そのため、この2つの要点を実践するだけでなく、実践したこと、実践しようとすることを適切な方法で分析・研究することで体系的な「知」とし、より多くの方にその価値を提供できるようにすることが重要だと感じています。
京都大学との分析・研究によって得た「知」を社会に発信し、多くの薬剤師が役割として実践することで社会に評価され、中川調剤薬局への価値として還元されることを目指します。

研究内容と研究への思い

研究員
原田祐希
研究内容
服薬情報提供書(トレーシングレポート)
薬剤師が専門性を活かして業務を行なうなかで、薬学的な視点での見立てをトレーシングレポートにまとめ、医師と情報共有する取り組みを継続的に行なっています。
実際にトレーシングレポートを用いて薬学的な視点を共有することで、処方が変更され、患者さんの体調がよくなっている姿を目にすると、より良い薬物治療ができているという実感もあります。
しかし、具体的にどの程度の成果があったかは検証できておらず、さらにブラッシュアップしてより多くの患者さんに実践できるようになることが必要だと日々感じていました。
現在研究活動として、弊社でおこなったトレーシングレポートの実績を集計し分析することで、実践の成果を検証しています。また同時に、より専門性を活かし精度高く関わるための教育プログラムの開発を目指した研究も進行中です。
それ以外にも、地域の高齢者サロン等での継続的な勉強会の開催の取り組みや、薬剤師が専門性を活かして関わることができた事例を症例報告として論文にまとめることで、現在弊社内で行なっている、薬剤師が社会に対して貢献できている実績を発信していく予定です。
多くの薬剤師が社会をより良くするために関わり、具体的に実践できるよう、力を注いでいきたいと考えています。

研究員
宮本敬子
研究内容
薬局薬剤師のプロフェッショナリズム
この研究テーマを選んだきっかけは、患者さんや社会に貢献できる薬局薬剤師を育成するための「教育」に興味を持っていたからです。
どのような教育を受ければ、今よりも効果的に、そして効率的に質の高い薬局薬剤師が育成できるのか、研究であきらかにしたいと思いました。
「プロフェッショナリズム教育」という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、薬剤師以外の医療職においては以前から研究が進んでいます。
薬剤師においてプロフェッショナリズム教育やその研究は進んでいないため、そもそも薬局薬剤師にはどのような資質が必要なのか、という段階から調査をしています。
さらには、プロフェッショナリズムを測定できる方法の開発、最終的には有効な教育プログラムの検討や、その有効性についても研究したいと考えています。
私自身もこの研究を通して、より質の高い薬局薬剤師を目指したいと考えています。
